DLMセンターからのお知らせ

「薬剤師のための徹底リスクマネジメント2」(澤田康文監修、NPO法人DLMセンター編集、南山堂)発刊のお知らせ

2008年8月26日

書籍「薬剤師のための徹底リスクマネジメント2」(澤田 康文 監修、NPO 法人 DLM センター 編集、南山堂)がこの 8 月に発刊されました。昨年発刊された「薬剤師のための徹底リスクマネジメント」の第2弾です。

本書の「B. ヒヤリハット事例」は、2007 年 7 月に開催された第2回 『ヒヤリハット事例に学ぶ「薬剤業務リスクマネジメント」研究会』 で発表された 28 事例を再編集したものです。また、本書には「A. DI の基礎知識」と「C. DI トピックス」も収載されています。これは、「育薬セミナー・ADVANCE」で使用されているテキストの一部を加筆修正したものです。

  • 添付文書を正しく読むための新しい薬理学・薬物動態学などの用語を学習したい!
  • 実際に起こったヒヤリハット事例を徹底解析し再発防止に役立てたい!
  • 相互作用、副作用などの話題をアップデートしたい!
    ・・ といった先生方にお役立ていただける一冊に仕上がっています。

8月末には書店やインターネットでのお求めが可能となります。是非一度ご覧ください。

目次は以下をご覧下さい。

特定非営利活動法人(NPO 法人)
医薬品ライフタイムマネジメントセンター
センター長 澤田 康文

<目次>

A. DIの基礎知識

CYPの徹底理解~個人差と相互作用はなぜ起きる?~

  1. CYP1A2の遺伝子多型にはどのような特徴があるのか?
  2. 喫煙によるCYP1A2の誘導を介したオランザピンのクリアランス増加
  3. 禁煙によるCYP1A2の誘導解除によるテオフィリンの血中濃度上昇
  4. CYP2C19の遺伝子多型がオメプラゾールの体内動態と酸分泌阻害などに及ぼす影響
  5. CYP3A4は知っているけど,CYP3A5とは何者?

トランスポーターの徹底理解

  1. ガバペンチンの吸収におけるアミノ酸トランスポーターの関与
  2. アデホビルによる腎毒性発症にOAT1,MRP4などが関与
  3. プラバスタチンの体内動態と効果の個人差とOATP1B1の遺伝子多型
  4. シクロスポリンによるロスバスタチンの血液中濃度上昇はOATP1B1を介した肝臓への取り込み阻害!

体内動態をよりよく理解するために

  1. 体内からの薬物の除去能力の指標となる全身クリアランス
  2. 口腔内のpHがニコチン吸収に及ぼす影響
  3. メトクロプラミドによる併用薬物の胃内容排出時間の短縮
  4. Mechanism-based inhibitionによる酵素阻害の評価法は?

なぜ起こる?副作用・相互作用のメカニズム

  1. ニューキノロン系抗菌薬による光線過敏症のメカニズム
  2. β遮断薬による睡眠障害(悪夢)はなぜ起こる? どう評価する?
  3. モノアミン酸化酵素(MAO)阻害作用を介したチーズとリネゾリドとの相互作用
  4. イブプロフェンによるアスピリン作用の減弱。ファーマコダイナミクスに基づく新しいタイプの薬物相互作用
  5. ワルファリンの体内動態と感受性の個人差の原因(1)
    体内動態の個人差とCYP2C9の遺伝子多型
  6. ワルファリンの体内動態と感受性の個人差の原因(2)
    効果発現過程の個人差とVKORC1の遺伝子多型
  7. ワルファリンの体内動態と感受性の個人差の原因(3)
    ワルファリンの投与量・効果発現の人種差と遺伝子多型

B. ヒヤリハット事例

処方せんチェックのリスクマネジメント

  1. ボナロン錠の服用時間変更を提案できず治療悪化が懸念された
  2. 患者は咳を訴えていないことからリン酸コデインは処方ミスだと誤判断した薬剤師
  3. 実は未処置だった閉塞隅角緑内障患者へ抗コリン薬のベシケアを投与
  4. 食後の低血糖を訴える患者にボグリボースが処方されて薬剤師と患者が混乱
  5. 耳鼻咽喉科からアスペノン? アスベリンの処方ミスではないか?
  6. トレドミン服用中の患者に併用禁忌のエフピーが処方された
  7. 鎮咳薬中にマレイン酸クロルフェニラミンが含有されていることを知らずポララミンを処方した小児科医
  8. エフピー錠が朝食後から夕食後へ処方変更されていたが,医師に確認せずにそのまま調剤

薬剤の調製・調合のリスクマネジメント

  1. アルサルミン細粒,1束7シートを10シートと思いこみ過剰調剤
  2. ビソルボン錠1錠とシロップ1mLを等価換算して調剤してしまった
  3. ヘプセラ錠の未開封の瓶と間違って開封した瓶を投薬してしまった
  4. アシノンとバイアスピリン粉砕後の配合変化を発見
  5. 手書きの処方修正不備に気づかず,乳児にフロリードゲルを21本も投薬
  6. アリミデックスとカソデックスの外箱類似のため間違って調剤棚に充填
  7. 同じ主成分でも,添加剤の違いにより禁忌薬が異なるヴァイデックス錠とECカプセル
  8. 賦形に用いた乳糖の口当たりが以前と違うことからチラーヂン末の服薬ノンコンプライアンス
  9. トリプタノール錠,処方オーダリングシステムと薬局での粉砕可否の判断が食い違って混乱
  10. リーマスとクラリスとを間違って調剤.どこがどう似ているのか?

服薬指導・薬歴管理,その他のリスク

  1. クラリスドライシロップとフルーツ風味のゼリータイプ服用補助食品との混合により苦味がでる可能性
  2. ダイアップ坐剤の途中排出対処法について的確に答えられなかった薬剤師
  3. 朝食後服用薬とアクトネルを一包化した医師と,患者申し出により一包化指示を勝手に取り消してしまった薬剤師
  4. プレドニンの「1日おきに服用」,「交互に服用」,「隔日に服用」の指示,難しい服薬指導
  5. アーチスト錠の薬情の訂正不備,自宅での半錠指示などにより混乱した高齢患者
  6. 発売休止中「ランタス注カート300」が病院の薬品マスター,薬価収載表にも残っていたことから医師・薬剤師が混乱
  7. 「もったいない」という理由で,インスリン注射剤の空打ちをしていなかったインスリン使用歴10年以上の患者
  8. リザベンによる治療に満足し多尿・頻尿の副作用を訴えなかった患者,それをあまり問題視しなかった薬剤師
  9. 「循環器系の薬は重要,胃腸薬は重要ではない」と思いこんでいた患者に起こったワルファリン関連のトラブル
  10. 服薬説明不足からマーズレンES錠を一気にのみ込んで喉に詰まらせてしまった患者

C. DI トピックス

薬物相互作用

  1. クロピドグレルの臨床効果を左右するCYP3A4阻害薬
  2. パロキセチン併用によるチモロールマレイン酸塩点眼薬の全身作用発現に注意!
  3. リネゾリドと選択的セロトニン再取り込み阻害薬との危険な併用
  4. フェニトインとの併用によるアトルバスタチンの効果減弱

副作用

  1. パロキセチンを急に中止してはいけない!
  2. グリチルリチン含有の市販薬,漢方薬による偽アルドステロン症に注意!
  3. 妊娠後期のSSRIの服用による新生児行動症候群
  4. 母親のリン酸コデイン服用で乳児がモルヒネ中毒で死亡(1)
  5. 母親のリン酸コデイン服用で乳児がモルヒネ中毒で死亡(2)
  6. パーキンソン病治療薬による病的賭博
  7. 呼吸機能改善と吸入ステロイド薬投与後の血中濃度の関係
  8. 吸入ステロイド薬による副腎皮質機能抑制
  9. マイスリーによる睡眠遊行症
  10. COX-2選択的阻害薬セレコキシブの抗腫瘍作用
  11. 鎮痛薬を飲み過ぎると高血圧になる?
  12. 一般用医薬品のリスク分類,危ない第二類医薬品
  13. スピロノラクトンによる上部消化管障害に注意
  14. タムスロシンなどのα1遮断薬による術中虹彩緊張低下症
  15. レボチロキシンナトリウム服用中の高リン酸血症治療薬,セベラマーの併用には注意

医薬品適正使用

  1. 潰瘍性大腸炎にメトロニダゾールが有効?
  2. PTSDにおける悪夢および不眠がプラゾシンで改善